■貴州 長角苗族へ
その二






4日目 興義 杉脚苗族、万嶺林、馬嶺河






(舟皿)江賓館




ホテルで朝食(自助10元と書かれていました)
ホテルから昨夜通った道を逆に進み興義の火車駅のワキを抜けて明日向かう貴陽方面の道を30kmばかり進みますと万屯鎮興隆村の入口です。ここから西へ4キロメートルほど進むと黒苗族の更に支族の杉脚苗族の村(興隆村)です。
太い幹線道路から一歩外れると道路はマイクロバスが走れる限界の道路となり、砂利道でデコボコ道となります。カルスト地形の中をアップダウンしながら進むと多少樹木のある村に到着します。これが杉脚苗族の興隆村です。近所には苗族の村は無いそうで孤立した苗族のようです。


村の入口にて




私達が到着して村の入口で待っていると机と土地のお酒を入れた瓶が置かれ、そのうちに民族衣装を着た女性と芦笙を持った男性が踊りながら村の入口へやってきました。
女性達が簡単な歌を歌って、その瓶のお酒を竹筒に入れて私たち遠来の客に飲ませます。


お酒




これをお客さん全員にするわけですのでかなりの時間がかかり、更にこの歓迎を全部で3回ほど行います。村の中に入るまでに1時間ぐらいかかるのではないでしょうか?
私もお酒(白酒)を飲んで第一次関門通過です。次に200メートルほど机を移動して村の人と共に移動して2回目です。そして村の広場で3回目が行われてやっと村に入る事が許されました。村の小さな広場で小さな椅子に座りながら彼女達の踊りを眺めて歓迎式が終わります。


 




ここで面白いのは芦笙と彼女達の歌と一緒に漢族の文化と思われるスオーナ(チャルメラの楽器)と小さなドラが鳴らされていて極めてアンバランスでした。音量は漢族の楽器の方がずっと大きいのですが、苗族の静かな芦笙と歌声は心に残るものがありました。


並んで





 




この後、二回ほど苗族の村を訪問したのですが全て 村を挙げての歓迎があり、格安でないパック旅行の質の高さ(キャバントラベルの旅行の質の高さと表現すべきか?)を感じました。今回のツアーでは男性3人は私がビデオと写真、残り2人が写真を撮影する目的でした。その内の一人の方がかなり撮影の被写体に対してかなり「お願い」をしていて村の民族衣装を着た女性達に撮影ポイントや動きを指定していました。
私は今まで格安パックツアーに参加していて自由に被写体に対して大胆に構図を指定する事など夢にも思っていませんでした。パックツアーというのは参加者(ビデオや写真を撮らない人もいます)の最大公約数的な目標があってお願いなどしてはならないと思っていましたが このようなお願いをする人、それを受け入れる会社というのが信じられませんでした。
具体的には民族衣装を着た女性を傾斜地に連れていって2人づつ分けて並んでもらって撮影をしました。私もその方の脇でついでに撮影させてもらいました。心の中ではこんなにわがままを言っていいのかと思ってしまいました。個人旅行では普通、村を挙げての歓迎式というものはありませんので、こういった質の高いパックツアーというものが一番理想なのかもしれません。?

写真撮影も一段落し、村長の家へ行き、餅つきです。臼は石で出来ていて杵は長い木の棒です。ここでも男性が杵で餅をつきながら女性が民族衣装を着てその周りを回ります。その餅は日本の餅とほとんど味は同じでした。その後村長と一人づつ同心酒です。生まれて初めての同心酒が苗族でした。その後30分ほど村に滞在して名残を惜しみつつ興義の町へ戻りました。


同心酒?





餅つき





村長宅の庭





ジャンケン
負けると飲む




ここの苗族の民族衣装は頭に黒い帯状の布を何十回と巻き付けていて女の子もこの布がバラバラにならないように踊りながらかなり気をつけていました。民族衣装全体としては貴州省東部の苗族の地味な模様と雲南省東部の苗族の艶やかな民族衣装の中間的な艶やかさで位置と艶やかさに関連が見られるように思います。


帰りの車中から




興義の町に戻り昼食です。貴州南江水利電力集団が経営している建物の中のレストランでした。その後興義の町から南の万峰林へ向かいます。この万峰林地区は東部と西部に別れていて興義に近い西部地区の更に興義に一番近い所の見学のようでちょっと物足りません。万峰林から更に南の泥水石林も今回は観光地に入っておらずパック旅行の常で観光地の数は限られていました。そういう不満が個人的にもう一度行ってキチンと見たいという気持ちにさせます。行きたい所は沢山あるのですが年配者が多く参加するのが前提の旅行では観光地の数を制限するのは仕方がないのでしょう。
万峰林はカルスト地形の中のカルスト地形で三角の山が延々と連なっている地区でその三角山の山間に少しだけある畑地にしがみついて農民が生きているように思います。この三角山は広州から昆明への飛行機の中から晴天の日に眼下に何度も見た三角山が延々と続く景色のようで地理的にも上空から何度も見た景色だと思います。以前から凄い景色だなと思っていましたが万峰林に来てみて初めてここがそうなのかと気が付きました。





万峰林 (パノラマ約270度)



三角山の間の民家




三角山の頂上だけが幾重にも重なって見え、遠い三角山の頂上は霞と区別がつかなくなってしまう景色は山水画の世界なのかもしれません。この景色はビデオより写真の世界のようでフィルムを何本も使ってしまいました。そして再度 興義の町を抜けて北側の馬嶺河に向かいます。ここは興義の火車站と興義の町の丁度中間にある河でここには大きな橋が掛かっていてこの橋の下が観光地となっていました。この興義の火車站と興義の町をつなぐ道路も南昆線の開通に合わせて作られた道路で その途中が丁度観光地という最適な位置関係にあります。

馬嶺河の駐車場に到着、小さなトンネルを歩いて抜けて馬嶺河へ降りる階段を降りていきます。馬嶺河は両岸の丘陵地から2,300メートルほど低く流れていて深い峡谷となっています。この峡谷へ雨期には100本以上の河が流れ込んでいて滝となっているそうですがこの12月は乾期でかなり本数は少ないようでした。それでも渓谷の一番下まで降りると流れ込む水が霧のように降り注ぐ場所もあり、両側の丘陵地とは大きく景色が異なります。しかしこの素晴らしい景勝地も谷底まで降りていくだけでも階段を20分ほど掛かりますし、谷底の景色を眺めてからまた上まで徒歩で階段を上がる時の大変さは相当なものです。参加者7人の内、谷底まで降りた人は4人だったと思います。素晴らしい景色で貴州省で7つある国家級の景勝地の一つだそうです。でも疲れました。



馬嶺河





馬嶺河





馬嶺河





馬嶺河 峡谷大橋より





馬嶺河 峡谷大橋より




興義の町に帰り、時間がありましたので町で運動靴を購入、それまで去年の7月に西双版納で買った靴でしたが階段の登り降りで切れてしまいました。夕食は宿泊しているホテルで。


夕暮れの興義








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