■貴州 長角苗族へ
その三





5日目 興義から黄果樹へ




ここも雲南に近いせいか朝も7時半ぐらいにならないと明るくなってきません。朝食まで時間がありましたので朝の町に出てみますと自由市場があり、そこだけは電灯の明るさもあり熱気がありました。


市場




朝食後、マイクロバスは黄果樹へ向かいます。このマイクロバスは貴陽から9時間で興義まで到着したという事で道路の方は良いようです。全て舗装されているようです。
車は昨日の馬嶺河に掛かる橋で止まり、写真撮影です。その後、火車站、万屯鎮興隆村を過ぎて興仁の町を過ぎて順調に進みます。興仁の近く数十Kmは高速道路が出来ていて快適です。更にその先の巴鈴からは普通の舗装道路で、両側に明るい農村地帯が広がっていました。カルスト地形の三角山も所々にあり、貴州東部の日本に似た農村の風景とは大きく異なりました。


小休止





車窓




順調にマイクロバスは進んでいたのですが長田郷という所まで来た時に急ブレーキです。馬車が道路の中央に進んできてマイクロバスの前部のバックミラーと小さな窓が壊れてしまいました。馬車の方は馬にぶつかったのではなく荷車の方に当たったようで怪我はしていません。こちらの運転手は大声で怒っていますが普通の農民に突然賠償請求をしても払えるわけがありませんし、こちらも急いでいますので結局、長田郷の町まで行って公安に保険請求の為の事故証明書を書いてもらう事になりました。


交通事故





交通事故で集まった人




10分ほど走って長田郷の町に着き運転手は公安を探して行ってしまいました。こちらは用事があるわけではありませんので丁度、週一度の市の日だったのでかなり混んでいる市へ出かけました。


長田郷




市の外れには杉の木が売られていて杉で出来た梯子が50元、杉の木の原木が10元という事でした。30分ほど待ってやっと証明書を書いてもらった運転手が戻り出発です。


梯子




バスは30分ほどして花江です。この花江は河の名前の花江で私も知らなかったのですが素晴らしい渓谷があるそうで、花江の橋を渡る為に九十九折りの道路を降りていきます。河の両側はカルスト地形特有の山が連なっていて今回最高の景色でした。とにかく素晴らしい場所で、渓谷と山が雄大に広がり、以前雲南の金沙江を越えて永勝への道路に匹敵する場所です。忘れられません。
マイクロバスは一番低い場所で花江の橋を越えるわけですが車から降りて写真を撮りたいと言いましたら、運転手から写真撮影禁止の場所という事でした。残念

バスは再度 東側の山肌を上がっていきます。すると花江の西側の山塊が見えてきます。この景色は、昨日の万峰林の三角山の頂上が重なった景色と同じでした。こちらの方が頂上の重なり方が万峰林よりもずっと多く参加者から感嘆の声が上がりました。ここでも3回ほどバスストップをしてもらって撮影(自由に停めて貰えました)。


花江大峡谷
西岸より東岸を見る





東岸の山々





西側の山々




東側の山塊を越えて2時頃に花江の街に到着ここで昼食です。1時間遅れ。


花江(街)




ここは貴陽の東の(舟皿)江と同じく犬肉で有名です。さすがに犬肉は出ないように手配してくれたのですが やはり出てしまいました。






昼食 王芝龍




ここから二時間ほどで黄果樹へ到着、さすがに疲れて飽きたのか車内で寝ていしまいました。
黄果樹到着が四時過ぎでしたので到着後すぐ、黄果樹瀑布へ向かいます。もう時間も遅く他の観光客とはほとんと会わず、6時の最終のケーブルカーに乗って黄果樹賓館へ向かいました。(黄果樹瀑布自体は前回とほとんど変わりはありません)


三度目です




黄果樹賓館も宿泊棟はいくつかあるようで私たちは「三和院」という以前はVIP用の建物でした。大変快適で3つ星クラスの室内でした。2年ほど前から一般に公開しているそうです。ケーブルカーの駅と普通の黄果樹賓館の中間にある木々に囲まれた場所です。
黄果樹賓館にて夕食、周りには何もありませんのでそのまま就寝
しかし 食べたものが悪かったのかお腹を壊して朝まで寝不足でした




6日目 六枝、歪櫛苗族






中庭




体調不良のまま黄果樹賓館にて朝食、その後そのまま六枝特区へ。高速道路を使わず鎮寧の先を左折して六枝方面へ。ここから六枝は道路が整備されていてカルスト地形の中を2時間で六枝到着、この頃には雨も降り始めて気温も下がり、ホッカイロのお世話になっていました。昼食は宿泊する六枝迎賓館の隣の小飯店だったようですが私は六枝迎賓館で寝ていました。一時過ぎに歪櫛苗族へ出発という事で栄養剤を飲んで出発です。
六枝の街は隣の平寨鎮と2つの街が繋がっていてどうも平寨鎮の方に駅があるようです。(地図が無く未確認)


六枝賓館





六枝賓館の周囲




この六枝には旅行社が無く外事弁公室が対応してくれて、男性の膨青さん(月はありません)と張平さんが対応してくれました。ここは旅游局と一体のようです。TEL0858-5323157

歪櫛苗族は六枝の隣の平寨の西から、貴陽−昆明の鉄路のガードをくぐり1,2Kmの近さにありました。すぐ隣には大きな工場もありなんだか拍子抜けでした。20分間で到着です。


歪櫛苗族




マイクロバスを降りて畑の中を200,300メートルほど歩くと歪櫛苗族の村に到着です。村の広場が中心にあり既に貴陽のTV局の来ていて私たちの訪問も撮影されるようです。ここは遠来の客人の足を洗う洗脚の儀式があり、右足を上げてと村の人に言われて左足を出すと灰を付けられてしまうという事で、タライと灰の両方が用意されました。


洗脚儀式




ここでも白酒が出され、洗脚の儀式が行われて皆さん足を本当に洗ってもらいっていました。その後 民族衣装を着た女性が全員で苗族の愁いに満ちた歌を歌ってくれたのですが大変小さな声でしたので周りの騒音でビデオカメラでの録音は上手くいきません。



民歌




それでも10分ほど歌っていただき、お返しに参加者全員で「赤トンボ」の歌を歌ってお返ししました。それまでこちらが受動的な態度だったのでこの村の訪問ももう一つ盛り上がりに欠けていたのですがこちらが 赤トンボを歌ってからは向こう側もかなり打ち解けて盛り上がりました。

私の方は苗族の歌を歌ってくれた時に一番大きな声で歌ってくれた可愛い(子供有り)女性を引っ張り出して畑まで一緒に行ってビデオカメラの前で歌ってもらいました。とても可愛い女性で引っぱり出した時には苗族の人々から冷やかしの声が上がっていました。後で気が付いたのですが彼女の夫も村の中にいたのですが 観光客の私たちの為に男性一同の中に入っていて彼女が表に出るようにしてくれていたのでした。やはり苗族のそういった細かい配慮のようなものは気が付いた時に胸打たれるものがあります。そんな事とは知らない私は彼女とその子(女の子で多分3,4才だと思うのですがもうタバコを吸っているのには驚きました。おかあさんは止めないのです)

この可愛い女性の事は忘れられません。是非 再度この瓦(缶エ)村(わかんむら)の歪櫛苗族の彼女に会いたいと気持ちは今でも続いています。ビデオカメラに彼女の歌声を入れてから彼女の家にお邪魔しましたがほとんど衣食住以外のものが見あたりません。今までいろいろ家庭訪問しましたが街からこんなに近くてこんなに貧しい村は驚きです。今年の1月に雲南のベトナム近くの哈尼族の村と同じ程度でした。電気だけは来ているようでした。この村は近い将来どうなるのでしょう。

歪櫛苗族の名前ですが民族衣装を着た女性の髪の結方とその櫛の差し方の名前のようで髪をグルグルと回して結い上げてその中心を2つの櫛で留めます。その留め方が斜め方向から櫛を刺して留めるのでこういう名前になったのではないでしょうか?



髪型




2時間ほど 全く観光化を感じさせない苗族の村の訪問を終え、六枝の街に戻りました。


見送り




まだ時間もありましたので六枝迎賓館に帰る前に町で一番大きい新興市場へ寄ってから歩いて六枝迎賓館に戻りました。


新興市場




夕食は町の中の小飯店で鍋物でした。女性はかなりの食欲でしたが男性はなんだかゲンナリ。六枝の街は貴州の田舎町特有の暗さで とっとと寝てしまいました。明日はいよいよ長角苗族です。








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