◆ ビデオカメラの色傾向 ◆


 ビデオカメラで撮影していると実際の色とかなりのずれていると思う事がしばしばあります。単にホワイトバランスが合っていない事もありますがそれ以外にもどうもカメラ毎に色傾向があって正確な色が再現されていないようです。
 先日 やっとベクトルスコープを購入しました。これで、カメラの色傾向も判りますし、カメラの色の調整も可能となりました。その為に 色見本としてマクベスのカラーチャートを入手しました。ビデオCAPAの別冊「デジタルカメラ技術百科」の中でデジタルスチルカメラの評価に使われているものです。

  サカタ・インクス  03-5689-6650
   マクベスカラーチェッカー \12,000   直販可
  印刷業界の代理店だそうです。

以下に実際にカラーチャートを撮影した時の色相の結果です。

 

 黄  

 赤  

マゼンダ

 青  

シアン 

 緑  

家庭用1CCD

KX-V6(TR3000)

20

78

112

202

236

310

家庭用3CCD

VX1000

26

83

124

206

240

312

NV-DJ1

5

80

114

194

244

304

NV-DJ100

10

76

94

182

242

296

業務用3CCD

HC300

32

80

114

196

240

332

HC390

30

78

108

200

240

322

BCC90A

26

78

108

202

242

316

DXC325

32

78

105

202

246

319

UVW100

20

76

108

214

252

316

同ATW

19

76

110

214

250

312

DXC537A

27

78

102

206

246

310

同ATW

20

78

110

210

246

300

注 ATWはフルオートホワイトバランス


コメント

◎DJ1,DJ100の黄色の値が他と大きくずれていますが肉眼ではそんな感じがしませんでした。

◎HC300,390の緑の値が池上カラーなのかもしれません。緑が綺麗です。

◎家庭用3CCDの赤の色相は思ったよりずれているわけではありませでした。それよりも松下の赤のクロマレベルがカラーバーと同じだけ出ていました。正常ではないレベルだと思います。VX1000はそれほどではありませんが、それでも業務機よりも大きなレベルです。

◎HC300,390の黄色が他の色より感度が高く一番初に飽和しました。

◎家庭用と業務用の一番の違いは肉眼でもわかりますが、白飛び、あるいは黒ツブレするような輝度レベルの時のクロマレベルでは業務用カメラは常に一定(カメラのDG?)になるような感じです(明るくても暗くても一定の色が出ている)が家庭用ではカメラにとって都合の良い中間的な明るさの時は業務用カメラよりもクロマレベルが高いのに白飛び、黒ツブレ付近では業務機よりもクロマレベルが下がります。この事が通常モノクロで測定するダイナミックレンジの結果が同じでも実際に映像を見た場合のダイナミックレンジの差として大きく影響してくると思います。


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