ここでは主にパック旅行でのビデオ撮影の特徴について取り上げます
パック旅行では基本的にビデオ撮影の時間はありません。参加者と、共にぞろぞろと観光地を巡るという文字にすると何とも情けないのがパック旅行です。
写真撮影をされる方は 撮影のする時間が「瞬間」ですから団体行動中でもそれなりの絵にはなると思いますが動画であるビデオではそうは行きません。
ぞろぞろと団体行動するその姿さえも絵の中に入ってきてしまいます。三峡のように観光船の甲板で自由な時間に三脚を使って、思った通りの撮影が出来るという事は ほとんど無いという事になります。
ではどうするか? 以下、問題点をどうするか考えてみました。
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撮影時間が無いので満足出来る撮影が出来ない。
(三脚を使って撮影が出来ない場合)
人間が歩いて観光地を見て廻っている時の肉眼の視野は人間の前面のほとんどを見る事が出来ると思います。
ですから歩いていてもそれなりに観光地の景色を満喫出来るでしょう。
しかし普通のビデオカメラの画角は広角側でも30度近辺ではないでしょうか。?
その程度の視野では足らないのですが、広角側を重視したビデオカメラはレンズが巨大化してコストと重量の増加を招きメーカーとしてはそういったことにコストを掛けるより「手振れ防止」の機能を装備してユーザー受けをするモデルを販売した方が利益が出るという事で広角軽視のカメラばかりが作られているようです。
しかし画角を大きくするとカメラが揺れても大概 何かしらの被写体は画面に入っていますからに見ていて疲労感が少なくなります。
又 カメラの向きを被写体にぴったりと合わせる必要が無くなります。
実際に画角を大きくするにはビデオカメラメーカーから出ているオプションの「ワイドコンバージョンレンズ」を取り付けます。
これを取り付けると画角が1/0.7倍、1/0.5倍になります。
VX1000ではVCL-0552(0.5倍),VCL-0752(0.7倍)という製品がありますが、0.5倍のVCL-0552は画面の4角がケラレてしまいますので実際には使用不能ですので、0.7倍のVCL-0752しか選択できません。
この0.7倍のワイドコンバージョンレンズを取付て実際に旅行の撮影をしますと、全撮影時間の99%は外す必要を感じません
それだけ今のビデオカメラは広角側が不足していると感じられます。
特に風景・旅行の撮影時は広角のワイドコンバージョンレンズは必須と思われます。
注意点としてはケラレの発生はワイドコンバージョンレンズとカメラの組み合わせで変わってきますので純正以外のワイドコンバージョンレンズを購入する時は実際にカメラに装着してケラレの発生しない事を確認する必要があります。
又 ワイドコンバージョンレンズを装着するとレンズの前面に付着した小さなゴミにオートフォーカスのピントが合ってしまう事があります。
VX1000と
VCL-0752 マイクロホンの首が折れないように
発泡スチロールを入れてあります
VX2000でも同じようにしています
ワイドコンバージョンレンズを装着して人間の視野に多少近づける事は出来ますがそれでもやはりカメラの揺れがあっては良い映像とは言えません。
カメラの揺れは三脚を併用すればほとんど解決しますが使えないという前提ですからどうするかというと、カメラを大きく重くして揺れにくくする、あるいは動かない何かにカメラを寄り添わせるという事です。旅行に使うという事と逆行しますが仕方がありません。
大きな何かにカメラを寄り添わせる事もなかなか出来ませんので実際にはカメラを大きく、重くします。カメラ自体は大きくする事は出来ませんからカメラに何かを取り付けます。
一番簡単なのは一脚を取り付けてしまう事です。
普通一脚は1本足を地面に接地して撮影しますが、必要な長さに一脚を調節して撮影する−つまり一脚を左手で持ち、右手でカメラを持つわけです。
これでカメラの揺れが相当無くなります。
当然ながら一脚を伸ばして接地して撮影しても良いわけです。
一脚を長くすればするほど映像は安定しますがそれだけ不自由になります。
また重い一脚ほど安定します。
今まで一脚を使用して一番 効果があったのは一脚の長さを最小にしてカメラに取り付けてバスの中から外の景色を撮影した時です。今まではバスの揺れをモロに受けていましたが、揺れが半減しました。
あと一脚を取り付けたままですといろいろ不便ですのでクイックシューも必須となります。お勧めはハクバ「クイックシューS」 \2,000 100グラムです。これを取り付けておけば簡単に取付、取り外しが出来ます
一脚の具体的な商品については「ビデオ撮影の携行品」で紹介していますのでご覧下さい。
本当は撮影時間はあるのではないか? (どのくらい元気がありますか?)
TVの紀行番組で観光地の映像等がメインの番組は沢山あります。
また個人で旅行を撮影する方でもそういった場面をメインに撮影している方が多いと思います。
しかし今ではTVの撮影隊が地球の隅々まで撮影していますからそれと張り合って同じようなものを撮ってきてもかなうわけがありません。
ではどういったスタイルで撮影すれば自分にとってオリジナリティーのある撮影が出来るかと考えた場合、撮影するという行為自体が撮影内容に反映される撮影でも良いのではないかと思っています。
またそういう撮影しか出来ないのではないかと思います。
例えば夜行寝台に乗る事になり駅に到着します。
そこで大きなスーツケースを押しながら、肩掛けのバックをぶら下げ、更にビデオカメラをぶら下げて駅の構内に入っていくわけです。
更に駅が暗ければビデオカメラにはビデオライトの装着する事になるでしょう。
そういった大量の荷物を運搬しながら寝台列車に全ての荷物を搬入するとするとまずビデオ撮影は不可能に近い状態になります。
しかし 実は駅の構内、ホーム、停車している列車、こういったものは私の頭には、記憶されているわけで もしここでこの映像が残らなければ、帰国後 見たものと撮影したものの乖離が生まれるわけです。
そこでこの頃は、寝台列車に乗る時は何があっても撮影するようにしています。
しかしスーツケースが重い時には片手では車両には上げられません。
そこで撮影中のカメラをなるべく良い場所に置いて、両手でスーツケースを車両に上げます。
そして又ビデオカメラを持って、スーツケースと多くの荷物も持って車両に上がります。
こういった事から、いかに撮影しにくい場所でも撮影を続けるかが良い映像を残すポイントだと思うようになりました。
こういった場合にはワイドコンバージョンレンズを取り付けてほとんどファィンダーは覗いていません。
それでも 撮影された映像から その必死さがなんとなく伝わります。揺れがあっても、カメラがあっちを向いても映像が無いよりは意味があると思います。
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