撮影時の携行品

 初めての海外でビデオ撮影をする時には日本と異なる環境で注意する点が多少あります。そういった視点からビデオカメラ以外の携行品を紹介します。

 どんなものを持っていったらよいでしょう

●予備電池

 予備の電池を持って行くのは当たり前ではあるのですがどの程度持っていくかですが目安としては都市部では 毎日撮影出来る分の電池があれば充分だと思います。ですから撮影時間の2,3倍の時間分の電池という事になります。毎日1時間でしたら3時間分の電池という事になります。但し都市部で、毎晩必ず充電が可能である事が条件です。

田舎では 毎晩必ず充電出来ると限りません。停電、日程のトラブルでホテル到着が朝方などで時間が無いという事がかなりの確率で起きます、ですから充電された電池の数は、相当な数が必要になってきます。日数的には2,3日分の充電された電池の用意は必要です。毎日1時間でしたら10時間程度の撮影が可能な電池の用意は必要です。

個人的には云南の濾沽湖に行くと、続けて丸1日停電が続き、更にその為の夜間照明が無く、電池を夜のお祭りの照明に使ってしまい冷や汗が出ましたが、なんとか持ちました。その時は20時間分の充電された電池を持っていましたが ほとんど使ってしまいました。

◎ソニーのリチウムイオン電池はアダプターを作れば、松下のNV-DJ1,NV-DJ100に外部電源として使用可能です。アダプターは半田づけが出来る人でしたら自作可能です。


●ワイドコンバージョンレンズ

 旅行時のビデオカメラでの撮影時に一番なくなてはならないものがこの「ワイドコンバージョンレンズ」です。風景の撮影時には大概の家庭用ビデオカメラの画角では不足ですし、又 撮影時間が無い為に手持ちで撮影という場合、被写体を画面の中に入れる為にも、そして車の中から車窓を撮影する時に見かけの揺れを減らす為にも旅行時のワイドコンバージョンレンズはなくてはならないものです。このホームページの別の所にも書きましたが 現状の家庭用ビデオカメラが望遠重視の焦点距離である限り、このワイコンの必要性は無くならないでしょう。
0.7倍程度のワイコンはもう常時取り付けたままという事が多く、外す必要性は1日に1回あるかないかだと思います。是非 X0.7程度のワイコンの使用をお勧めします。
X0.5のワイコンもありますが画面の周辺で歪みや歪みがあったり、遠近感が誇張されあまり自然さを感じません。必要なケースもありますのでご自分の判断で御使用下さい。



●電源用の変換プラグ −必須です

 中国の一般の電源は220Vです。ビデオカメラのバッテリーチャージャーは ほとんどが100V-240V用なので電圧自体は対応していますが電源プラグは異なります。その為に中国の電源プラグを日本の電源プラグに変換するプラグが必要になってきます。
中国の電源コンセントですが種類が多く、国別の一覧表をみますと世界一の種類の多さです。ですからホテル毎あるいは部屋毎にコンセントの形状が異なったりします。その為 変換プラグも最多の「7ケ組み」というものが必要です。海外旅行用品店、成田空港、秋葉原等に売られていますので購入する必要があります。(必須です)
2,3千円程度



●予備のバッテリーチャージャー

 予備のバッテリーチャージャーの必要性は、1日の撮影時間の長い人や、中国の田舎へ行かれる場合で、毎日必ず充電が必要なのに停電が予想される場合は、予備のバッテリーチャージャーを同時に使って多数の電池を一度に充電する必要があります。

トラブルが無くてもバッテリーチャージャーが1台ですと1ケの電池の充電終了後、電池を取り替えて次の電池に交換しなくてはなりません。夜間 部屋で充電する事がほとんどでしょうが、これでは睡眠不足になってしまいますので出来れば、充電の必要な電池の数だけチャージャーがあればベストです。(その事を考えると電池は大型の方が良いでしょう)
また 複数のバッテリーチャージャーを使う時にはテーブルタップも用意しないとなりません。

旅の行程のトラブルや停電の多さは中国旅行にはつきものですから充電された電池を用意する事も大事な事だと思います。今までの経験では用意のしすぎはありませんでした。 ですから常に2,3日分の充電された電池−本数を用意できれば逆に予備のバッテリーチャージャーは必要が無いかもしれません。

注意 ホテルのシェーバー用コンセントは電圧に関わらずチャージャーが正常に動作しない事を多く経験しました。要注意です。最悪ヒューズが飛ぶそうです。



●クリーニングテープ −必須です

 DVのビデオカメラが増えた現在、中国の空気中のゴミ、塵等で画面にノイズが発生する事があります。(必ずと言っても良いでしょう)そのノイズが発生するとDVの特性から言って画面のほとんどの場所で影響を受け、視聴に耐えない画面となります。8ミリビデオカメラではノイズが出ても画面全体が破綻する事は少なくあまり問題になりません。DVになって大きくゴミ・塵に対しては後退したと思います。

こういった事をなるべく回避する為にもクリーニングテープを使用して障害が発生していなくても毎日1回程度はクリーニングする必要があると思います。ゴミ、塵等の多い中国ですからクリーニングは多めで丁度良いと思います。
DVの特性としてある程度のノイズはエラー修正が行われいてノイズが発生していても全く気が付きません。そのノイズが一定量を越えると突然、ノイズの嵐となってしまい、こうなったらクリーニングが必須となります。こういった事態の前に撮影スタンバイ時に前方、あるいは後方に対してスピードサーチをしてみると通常の通常とは違った画面が見られるビデオカメラもありますので、この時点でクリーニングすれば障害を回避出来ます。



●レインカバー

 レインカバーの必要性は書くまでもありません。又 このホームページの別の所で純正のレインカバーを紹介していまずが専用のレインカバーは価格なりにかなりの雨量でも使えますが、大袈裟です。そこで雨量によっては

 シャワーキャップ
  星のあるホテルに大概置いてあるものです。ビデオカメラのレンズとファインダーの部分に穴を開けて使用します。そこそこの雨で使用出来ます。使い捨てです。

 タオル
  風か無く、雨もチヨットという場合にはタオルをビデオカメラの上に覆っているだけでも違います。



●ビデオライト

 ただでさえ 暗い中国の町では先進国以上にビデオライトの必要性は高いと思います。又 ツアー参加者の懐中電灯としても重宝します。お勧めは10W-20W程度のものです。 この必要な明るさは使用しているビデオカメラの感度と関連しますので一概に言えません。出来れば50W程度ものがあれば理想ですが電池では無理のようです。残念ながらNV-DJ100では感度が低く、20Wのビデオライトでは撮影がほとんど出来ませんでした。
現在のビデオカメラと同じ、リチウムイオン電池を使うビデオライトは高価格なものが多いのですが以前のニッカド電池を使ったビデオライトはかなり安く売られていますで、ソニーのビデオカメラで使われていたニッカド電池が残っている方には最適でしょう。ただ電池のタイプが異なるとニッカド用のバッテリーチャージャーが必要になってきます。尚、ニッカド電池ですがビデオライトで使用する時はメモリー効果は考慮する必要がありませんので使い勝手は良いと思います。



●一脚

 このホームページの別の所でも書いていますが手持ち撮影しか出来ない環境で画面を安定させる為の道具と考えています。一脚を伸ばして接地して使用すればなお 良い結果となりますがその時間も無い事もありますし、車の中での車窓の撮影で画面の安定の為にも有効です。

家庭用ビデオカメラでお勧めの一脚はSLIKの MONOPODS 200G2 とハンザ「トラベル7」です。



VX1000とハンザ トラベル7
(太い部分に3本の足が全部入ってしまいます)
ハンザのトラベル7は太い筒の中に小型カメラ用の3本足の三脚が入っています。ただし強度が今一歩なのでVX1000等に取り付けて、人間がそこから立ち去る事が恐くて出来ません。雲台はフリーのものがついています。長所は縮めて全長22cmで伸ばして85cmです。重量は310グラム。\5,500
注−現在この商品は残念ながら製造中止になってしまったようです。




SLIK G200-2
伸ばすと1.41メートルあり、普通の一脚として接地しても使えます。又VX1000を取り付けて一脚の一番下を持ち、一脚とカメラを同時に持ち上げて 人の頭越しに撮影が可能ですので旅行のガイドが説明をしている時に持ち上げて多の参加者の上部から撮影が可能です。重量は280グラムでクイックシューが100グラムですので重くはありません。 前後方向のみの雲台がついています。
注−現在この商品も残念ながら製造中止になってしまったようです。





●三脚

 パックツアーではあまり三脚を使用するケースは少ないのですが、時間がある場合、三脚での撮影は魅力的です。特にステージの撮影などは必須です。ただ重い、かさばるという事で持っていくものは小型のものが必要ですが、ビデオカメラ用の小型のものは ほとんどお勧め出来ないものばかりです。3Kg以上の重さのもは良い物はあるのですが1-2Kgで使えるものはほとんどありません。取りあえずベルボンのC400,C500,C600というシリーズのビデオカメラ専用のものをお勧めします。

写真・ビデオカメラ用として売られている兼用小形三脚がありますがこういった製品の雲台は、ビデオカメラ用の雲台とは大きく異なり、パンやティルトの動きの滑らかさは大きな違いがありますので、お勧めしません。






 その他

●ビデオカメラ用リチウムイオン電池の過放電

 家庭用ビデオカメラの電池は以前はニッケルカドミウム電池が使われていました。この電池をビデオカメラに取り付けたままにしておくとビデオカメラの構造上、本当の電源スイッチが存在しない為、微小な電流が流れ続け電池が最後には過放電となります。するとこの電池はもう充電が出来ない不良品となり捨てざるをえない状態になります。
この注意点はビデオカメラの取り扱い説明書等に出ていますので注意深く読まれた方はご存じだと思います。近年この電池もリチウムイオン電池と変わってきてその安全対策上から電池自体に過放電防止回路と過充電防止回路が内臓され電池をビデオカメラに装着したままでもこういった電池の不良化が起きなくなってきました。SONYのリチウムイオン電池にはこの為の電子回路が電池に組み込まれているとメーカーが宣伝してますし、松下でも取り扱い説明書には電池を取り付けたままにしないようにと書かれていますが、実際に電池を分解してみましたら防止回路も入っていますし、松下に確認しましたら防止回路が入っているとの回答でした。
 しかしながらビクターのビデオカメラの全ての製品にはこの回路が無く電池をビデオカメラ本体に装着しておくと過放電となります。(ビクター確認済みです。)1週間ぐらいでしたら大丈夫でしょうが、1ケ月以上装着したままにするとどんなに新しい電池でも以後使用出来なくなりますので充分注意して下さい。
こんな事を書くのは以前GR-DV1というモデルでまだ1時間も使っていない電池を付けたままにして駄目にしてしまいました。先頃GR-DVYというモデルを購入しましたが同じ注意書きが書かれていました。その為先日 ビクターに電話しましたらビクターのビデオカメラにはこの防止回路が全てのビデオカメラのモデルで存在しないという回答でした。

(2001/07/09)