対決 松下NV-DJ100 VS SONYVX1000


家庭用では高画質の2台のビデオカメラを比較してみました。
松下のNV-DJ100 と SONYのVX1000です。



 CCDの感度

グレイスケールを撮影してみました
同じ被写体を撮りましたら DJ100はF3.4 VX1000はF4.8でした。
予想どおりVX1000の方が少し感度が高いようです。

説明−これは夜間にノイズがなく綺麗に撮れるかという比較で、暗くても映るかという比較ではありません。あくまでもノイズが無い状態で明るく映るかという事です。


 ダイナミックレンジ

 正確に計れなかったのですが 波形モニターでグレイスケールを撮ってみました。

       DJ100  100IRE-F3.4 -> F1.7 約400%
       VX1000 100IRE-F4.8 -> F2.8 400%以下

少しだけDJ100の方が良いようです。(DJ1の時はVX1000の方が少し良い値でした)DJ100は進歩しました。嬉しい誤算です。DJ100は1/4インチCCDでVX1000は1/3インチCCDです。

説明−ダイナミックレンジは明るいものと暗いものを同時に一つの画面内で表現出来るかという事です。ただしこのテストはモノクロで行っているので普通の色のついた被写体で行うと違った結果が出ます。
IREは明るさ(輝度)を表します。0IREが一番暗い黒、100IREが一番明るい白を表します。

 高輝度での色抜け

 写真撮影で使用する反射率18%のグレイカードで100IREになるように露出を調整してそのグレイカードの前に柄の部分が赤と緑のドライバー(ねじ回し)を置きました。
この状態では両機とも多少 色抜けを起こしていますがそこそこドライバーの輪郭が見えます。

更にそこから一絞り開けました。VX1000は輪郭が消えてほんやりとした姿になりました。DJ100はまだかなり輪郭が残りそこそこ立体感を感じます。

説明−極端に明るいものは色があっても白く色抜けを起こす傾向のテストです。


 低輝度での色乗り

 上記のグレイカードで5IREになるように露出を調整して同じドライバーを置きます。DJ100ではドライバーの輪郭とドライバーの先の金属部分が見えます。VX1000はドライバーの輪郭がうっすらと見え、金属部分は全く見えません。(このねじ回しの金属部分は黒に近い色に着色してあります)

説明−暗い部分がモノクロなっていないかのテストです。


 低輝度のガンマ

 ウェーブフォームモニターを20IREでフルスケールになるようにして グレイスケールを撮ってみましたがVX1000はほとんど直線で優秀でした。DJ100は残念ながらかなり寝ていました。

説明−暗い部分での入力光量と電気的出力が直線的な比例関係であるかのテストです。これが寝ていると髪の毛なとがのっぺりした黒一色となり、1本1本が区別出来ません。その代わり、ノイズ感が減少します。

注 このテストはモノクロのグレイスケールを撮影して行うのが普通でこの撮影もそれで行いました。しかし実際の撮影はカラーですから 「色」ほ含めたテストがされるべきだと思います。多分 色を含めたテストをすれば結果は逆になったと思われます

 自動露出の傾向

 VX1000は標準のAEシフト状態では、過大露出(白トビ)になるのを避ける傾向があるようで、AEシフトを露出大にしてDJ100程度になるようです。ですからDJ100は白トビが多いようです。

説明−VX1000は明るい箇所で露出を計っているがDJ100は画面の平均輝度で露出を計っているという印象です。

 夜間撮影

 あまり客観的な指標は書きにくいのですが、暗めの懐中電灯を「夜間撮影」してみました。

 

映像レベル

公称感度

ノイズレベル

NV-DJ1

60 IRE

5 lx

4 IRE

NV-DJ100

55 IRE

15 lx

3 IRE

DCR-VX1000

80 IRE

10 lx

12 IRE


というわけで松下の方が映像レベルとノイズレベルの差が大きいので綺麗に撮れると思います。ただ疑問なのは DJ1とDJ100は肉眼ではほとんど同じ感度に見えます。松下に電話して聞いてみたのですが測定方法も同じできちんと計っているという返事でしたがDJ1がおかしいのかはわかりません。

異常が無いのであれば、感度はDJ1とDJ100は公称値は大きく異なるのに実際はほとんど同じでした。ただ スミアの量はDJ100は大でした。

1998年9月に雲南にDJ1とDJ100を同時に持っていき、瀘沽湖の摩梭人の夜の踊りを撮りましたがスペックなりの感度差を体験しました。薪の明かりとビデオライト(20W)でDJ1はなんとか撮影出来ましたが同一条件でDJ100では実用にならない感度でした。

それから松下は露出か明るめなので 画面の一部にネオンのような看板等があると自動では露出過多なので、その部分の情報は全くありません。
手動で露出の変更をする必要があると思います。(逆に昼間は明るめで良いのですが)

 業務機とこの両機の比較

池上のHC390と比較してみました。

カメラ部だけではHC390の優位は当然ですがどちらが感覚的に近いかとやってみました。まず段ダンボールを撮ると違いが判るという事でしたのでやってみました。
違いは一目でわかり その立体感、情報量は HC390>DJ100>VX1000という結果でした。

色の濃さですがDJ100とHC390の色の濃さ(クロマレベル)はほとんど同じでした。そして以外だったのはHC390の方がクロマレベルが高く緑の鉢植えなどはDJ100の方が地味でした。(見た目はHC390の方が正確な色でした)一番地味なのがVX1000でした。暗さ+色も地味でした

半日ぐらい比較してみましたが NV-DJ100の方が業務機に近いという印象でVX1000はやはり4年前の設計という古さを感じます。

1999/11/11