●湖南省  桃花源 王村 武陵源 長沙

その六 番外


以下の文章は帰国後に近所のBBSに書いたものの抜粋です。




●「いろいろ起きるでしょう」




と出発する前日に旅行会社の添乗員から電話があった時に話したのですがマーフィーも法則は予定どうりで 参加者同士は喧嘩するし、トラブルでその添乗員の女性は泣き出すし なかなか中国らしい旅行でした。
とうとう最後には 参加者代表がクレームを文書にして旅行会社に直接持参する事となりました。
参加者の中で台湾籍の方といろいろ話したのですが その方の話では一般の中国の人の7,8割の人は日本人に対して好感は持っていない。しかし観光客に対してはそれを表に出す事は無い。という話をされていました。そういった多数の中国人の視線の中で円を持った日本人が観光に出かければいろいろな意味で狙われるのは当然です。

結局 地域の賃金とマナーは比例するのではと思います。日本の零細企業が中国で合弁するとお尻の毛まで抜かれて撤退する事になる確率は相当なものがあると聞いています。撤退しても中国には建物だけは残りますからあちらは損はありません。



●貧しさ




経済的な貧しさではなくて 木の事です。以前も書いたのですが湖南省の山の中へ行けば大木が見られるのではと期待していたのですが直径20cm程度以上の木はほとんど見る事が出来ませんでした。多分 古い木は全て切ってしまったのでしょう。そのせいか人家の材料がレンガとコンクリートで出来ているのが99%で木造家屋は少数民族の一部の家屋だけでした。
大概はレンガかコンクリートで大きな煙突があると必ずレンガ工場でその工場の周りの土が小豆色でそれを焼いてレンガにしています。
そしてそのレンガを使って民家が作られています。植林をしない貧しさ。小豆色の土からは大して農産物の収穫は無いでしょう。日本の農家は恵まれています。


それでも海外から木材を輸入して国内の森林資源を使わない日本と較べると どうかという議論はあるでしょう。


木材=紙でもあるわけですが 中国の私のお土産は中国の地図なのですが省都の長沙の新華書店で今回はいろいろ購入出来ました。一番細かいものでも50万分の1でやっと集落の名前が載っている程度です。
自動車用のも大体その程度の細かさで中国では 物資の輸送を地名と地図だけで行う事は基本的に無理のようです。そんな環境でプロのドライバーは高給取りなのは当然かもしれません。今回のドライバーは1000元で日本語の通訳は500元だそうです。湖南省平均では200-300元程度のようです。



●かなわない




山の中へ行くコースだったせいか 参加者も旅慣れた人が多く 4回目の私はビギナーでした。特に単独参加の女性は生活力旺盛でニイハオトイレもへっちゃらで帰りには着てきた衣類を現地の人にあげてきていました。
聞くと近所で古着を貰ってくるのだそうです。女性は強い。


男性参加者の1/3は中国語が出来るようで現地の日本語ガイドよりーー?。
憧れの北京大学へ私費で語学留学された方がおられました。


極めつけは台湾籍の方で元横浜中華街でお店をやっていた方がいて、現地のガイドがお昼のご飯を予約していない為に昼時 険悪な状態になるのですが その方が飯店を選んで、厨房のチェック、店員に対する衛生指導などをしていただきました。日本のカイドも現地のガイドも脱帽していました。
お昼を食べる事の全てのプロセスが「中国」していました。そのお昼のトラブルで日本側の女性添乗員が泣いていました。

なんだかトラブルが多すぎてとてもパックツアーで行ったという気がしません。もし個人で行くとあの全ての問題を自分で処理しなければならないと思うと 中国語が出来なければ無理なのでは。



●交通




交通・流通 これが今の中国の近代化を進める上での最大の現実的課題だと思います。中国沿海地域での流通はかなり良いようで日本の2,3倍程度の時間を掛ければ物資は届くという話ですが奥地では 結局 物資が行方不明という事もおかしくはないと感じました。省間の道路は舗装してありますがその下の県間の道路は大部分が未舗装でした。道幅は4m程度で大形車のすれ違い不可でした。そしてその程度の道路でも どこかに検問所があって料金を徴収していました。中央から料金徴収を止めるように通達していますが人治の国ですから地方の役人の指示の方が法律より優先するのが現実です。

湖南省の中ではバスで移動したのですが旅行の案内では1日当たり、数時間と移動時間が書いてあったのですが大概10時間ぐらい乗っていました。元々その時間では無理な距離だったのですが日本の旅行社が実際を調べていなく、更に中国側の ずさんな時間管理で 参加者の口数も段々少なくなりました。
極めつけは 道路工事で往路は2時間で通過出来たのですが復路は10時間掛かった場所があり 朝8時出発で着いたのが次の日の朝3時半で座席にお尻が張り付いてしまいました。10時間も地方幹線を止めて誰も何もしないようです。そのころは参加者はもう何も言わずただ イネムリだけでした。

郵便物が紛失するのも当然かもと納得しました。




●水





やっぱり お腹を壊して薬を飲んでいました。「生水は飲まないで」という通常の注意では駄目で お茶も料理も本当は駄目のようです。結局 食べない飲まないしか無いのですが それでは死んでしまいますから薬を飲んで飲食をするわけです。
お腹の弱い人は日本から飲用水は持参です。現地では水など売っていませんし売っていても硬水ですから駄目。栄養ドリンクも必要です。丁度 みかんが沢山売られていて日本のものとほとんど同じでしたので沢山買い込んでバスの中で配っていました。





●武稜源 張家界 天子山 索渓峪




というのが今回の観光地の地名なんですが世界遺産に登録されただけあって日本では決して見られない景色でした。張家界は「山は黄山、水は桂林」と言われています。武陵源全体で100平方Kmはあるようですので全て見るには何日も掛かります。



●少数民族




現地のガイド氏は漢族の出身の男性の方でしたが奥さんが土家族の方だそうで そのせいかそのガイド氏はなかなかのガイドぶりでした。ある時ビデオカメラの電池が無くなったのですが往復2kmを掛けてバスまで取りに行ってくれました。感激!
やはり中国の少数民族と日本人はどこか通じるものがあるようです。張家界の徒歩での観光コースの数カ所に少数民族の女性が民族衣装を着てその民族の歌を唄ってくれます。右手はビデオカメラを持っていますので左手でサイフを出して10元札を出して渡します。
それで2,3曲 唄ってもらいます。(改革解放という事でしょう)もっと大量に録画したかったのですが 他の方もいますので残念ながら全部で10曲程度でした。





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